ノアヴォクシーとセレナのミドルクラスミニバン比較

ノアヴォクシー セレナ の比較

これまで、ヴォクシーが見た目の押し出しの強いカッコ良さで若い層を、
同型のノアがそこまで主張を求めないファミリー層を中心に販売を伸ばし、
トヨタのミニバンの販売をけん引してきた。

対して、セレナでノーマル&ハイウェイスターというグレード構成で
これに対抗し、日産のミニバンの屋台骨を支えてきた。

今回はこの二つの車種を徹底比較したい。

 

■ノアヴォクシー セレナ 広さ比較

この二車種は、基本的には日本古来の5ナンバーサイズのミニバンで、
大きさは、

      全長 ×  全幅  × 全高 (mm)

ノア                 4710 × 1730 × 1870

ヴォクシー      4710 × 1730 × 1825

セレナ             4770 × 1740 × 1865

 

数字上は、セレナが少し長いが小回りを示す最小半径は、
両車とも5.5mと比較的小回りは利く。

数字では読みづらいが、実際狭い道路で困ることがほぼない。

一般的な6m幅の道なら、切り返しをしないでUターンできちゃうんだから、
最近のミニバンは大したもんだ。

外観の大きさは、駐車スペースが許せば効率がよく、
且つ取り回ししやすいという点で家族で乗るミニバンとしては
ジャストサイズといえる。

そういう意味では、好み以外の外観でこれらを比較するのは
あまり意味がない。

で、外観は好みに寄るところなのであまり触れないこととして、
問題は中身の広さに述べていこう。

とは言っても、外側がほぼ同じサイズのミニバンなのだから、
当然中の広さも大体同じとなるわけだが、そこは両車とも
その同じ大きさをいかに快適にするか、便利にするかで
しのぎを削っている。

■ここでは、両車の生活の中でのよくある場面という切り口でいく。

・乗り降り編

ノアヴォクシーは、2014年1月のフルモデルチェンジで骨組みまで
すべて一新したその時に床を低くした。

初めてスライドドアを開けると「こんなに下がエグレてんの?」
と見たときはびっくりしたほどだ。

とにかく乗り込むときに大マタギしないで、社内に乗り込むことができるのは
超便利。

セレナは、2016年8月のフルモデルチェンジでは、
実は基本的な骨組みは前モデルをそのまま使っている。
つまり車としての基本構造は前のモデルと一緒ということになる。

なので、ノアヴォクシーと比較すると少し足を高くあげて乗り込むことになる。
決して不快なほど高いという訳では当然ないが、比較をするとノアヴォクシーの
方がこの点では優れているし、人を乗せる車という観点から無視できない
差なのは言うまでもない。

・視界編

本来は運転席から書くべきなんだろうが、それはミニバン。
運転する人よりも乗せられる人を優先に考えて、
敢えて乗り降り編を先に書いた。

とはいえ運転者あっての車だし、
多分に運転者が決裁者なので次は運転席。

ノアヴォクシーとセレナの運転席に座ってみて、一番大きく印象が違うのは
やはり、メーターパネルの周辺になる。

ノアヴォクシーが、ハンドルの中からメーター類を見るようにできているのに
対して、セレナは、ハンドル越しにメーター類を見るようにできている。

座った印象は、セレナの方が視線が遠くになる分、車の鼻先が遠く感じる。
これは視線移動を少なくさせるためメーター類を前方に配置しているためで、
メーター類の見え方自体は非常に分かりやすい。

逆にノアヴォクシーは、メーター類が近いので車の鼻先は近く感じられ
取り回しが楽に感じる。

その代わりメーターがハンドルの中に見えるので、ドライバーの体格に
よっては、若干ハンドルが邪魔をして、メーターの情報が一部見えづらく
感じる。

 

運転席からみる横や斜め後方や後方の視界について。

横の視界については、多少の差こそあれ、両車とも良好だ。

特に2007年の発売のセレナが導入した運転席ドア窓の下部分を6㎝ほど
下げたデザインは、背の低い人でも良好な視界を確保できるので、
継続的に採用されている。

もちろんは、2014年販売のノアヴォクシーも採用していており、メーカーを
超えて如何に視界確保に有効かがわかるというもの。

斜め後ろの視界について話しをしてみよう。
ミニバンは長い。

まあ8人が座ってしかもその分の荷物を積んで走ろう
ってんだ、それなりの長さは当然必要となる。
それに伴い大人数を安全に移動させるには、視界の死角をできる限りなく
さなければならない。という相反するジレンマがある。

2016年9月のセレナのフルモデルチェンジ時点で、走行中に斜め後方からの
自動車を検知する後側方車両検知警報(ブラインド・スポット・モニタリング)は
付いていない。

この点は、両車ともサイドミラーの大型化とその位置の工夫で対処している。

むろん、ミラーを確認することでかなりの範囲の死角をカバーしており、
人がたくさん乗車していても、一人で運転していても同じ視界を確保できる。

最後に後方(真後ろ)の視界について。

これは他の部分にも言えることだが、2016年9月にセレナが新型になった時点で、
視界、カメラやセンサーなどの補助的なシステムは、日産が一歩リードしている。

先ず後方視界だが、日産はセレナの殆どにルームミラーに映る景色を
画像化できるシステム(スマート・ミラー)を搭載または選択できる。

これは、車体の後部上方から後ろのカメラの画像をルームミラーに映すことで、
車内に乗っている人の頭や荷物ために直接後方を確認できないときに補助する
装置で、ON/OFFすることもできる。

それに加え、バックの際には動きのあるものに対して警告ブザーで知らせる装置もあり、
日産お得意のアラウンドビューモニター(車を上から見ているような画面表示)と
合わせて、ほとんど死角をゼロにすることができる。

対して、ノアヴォクシーはバックカメラやセンサーなどはオプションなどで用意されるが、
それを総合的に運用できるシステムは搭載しておらず、車の出し入れなどの生活の
中でよく見る場面での使い勝手は、セレナの方に軍配が上がる。

・車内の広さ、使い勝手について

乗員人数の選択について

この手の車を選択する場合、一番悩むのは何人乗りを選択するかである。

今回取り上げているノアヴォクシーとセレナで言えば、ノアヴォクシーは7人乗りか
8人乗りかを選択しなければならない。しかも7人乗りを選ぶとハイブリッドモデルしか
選択できない。ガソリン車は7人乗りか8人乗りの選択ができる。

逆にセレナは、8人モデルしか選択がない。
が、セレナはシートレイアウトが多彩なので、二列目席を真ん中部分のシートを
助手席と運転席の間に置くことで、二列目席をキャプテンシートにもベンチシートにも
することができるので、そもそも選択を考慮しなくていいのがいい。

 

■ドライビングの違いについて

ミニバンに運転の楽しさを求めるべきではないかもしれない。
しかし、運転が楽しいというにも色々あり、見切りやら動力性能や
きちんとブレーキが利くのかやら、楽しいというより単純に楽という目線もある。

だれも、死角が多くて、重くて、取り回しが悪くて、ブレーキの利かない車には
乗りたくない。
多人数が乗る車だからこそ、安全に配慮され、長距離の運転が少しでも
楽な方がいい。

ここでは、そういう視点に基づいたドライビングについて述べてく。

・ハンドリング編

ノアヴォクシーもセレナも両方に言えることは、直進しているときの安定性が
抜群にいいということ。 多少のデコボコな路面でも、ハンドルを取られることは
殆どない。

そのうえハンドルの軽さも手伝ってか、細かな道での取り回しは、非常に
良好だ。

乗り心地違いは、ノアヴォクシーの方が重心が低いせいか、安定している。
カーブなどで遠心力で持って行かれる感じは、比較するとセレナの方がキツイ。
結論、乗り心地の硬さはノアヴォクシーの方が強く、セレナの方がふわふわした
感触である。

・動力性能編

動力性能は、ノアヴォクシーとセレナのハイブリッド同士の比較では、
ノアヴォクシーの方が静かで力強いと感じる。
力強いというのは、エンジンの回転の上がり方がきちんとしてストレスが少ない
という意味。

静かと感じたのは、トヨタ車全般に言えることだが、全速で加速中でも運転席と
三列目の人と普通の声での会話が、かろうじて可能というレベル。

逆にセレナは、加速は緩やかで若干のストレスを感じた。
また、車内での会話は比較的大きな声をださないと三列目との会話は難しい
というレベル。

ただ、これはあくまでも比較の結果で、セレナも2016年発売のモデルは
その前のモデルと比較すると格段に静かになった。

どちらの車もエンジンをバンバン回して、スピードを出す車ではないが、
7人乗り8人乗りの車である以上、フル乗車で高速の加速レーンを走ることもあるし、
坂道や追い越しをする場面にも出くわすだろう、そういった際の参考になればと思う。

 

■安全装備面

車を運転するうえで、今や欠かせないのが安全装備。
一昔前はエアバックなどの事故後の安全装置を謳っていたが、
そんなもんぶつかってみるまで分からないじゃないか!とよく思ってもんだ。

しかし、今や自動ブレーキは標準装備で、高速などで使うクルーズコントロールにも、
この自動ブレーキのシステムを連動させ、一度設定すると前の車に制限速度内なら
いつまでも付いていき、減速すれば減速、止まれば止まる。
なんていう芸当が当たり前になってきた。

しかも、白線や標識を認識して制限速度やカーブまで認識するようになり、殆ど
自動運転ができるようになった。 この点から、ノアヴォクシーとセレナを比較する。

・セレナの単一車線完全自動運転

2016年9月発売のセレナ一番のトピックスが、この完全自動運転(プロパイロット)
システムだ。これは、高速道路の一車線の中でなら、完全自動運転ができるという代物。
先にも述べたように、これは新技術というわけではない。 私に言わせれば、正直先に
言ったもん勝ち感がある。

他車でも同じようにクルーズコントロールという速度を一定に保つシステムに、
自動ブレーキや車線逸脱防止を組み合わせることでほぼ同じことができている。
日産はこれを自動運転と先に言っただけ、というのが正しい解釈だと思う。

しかも、完全自動運転というから手放しでいいかというと、実はきちんとハンドルを握って
いないと警報が鳴って、実は常にハンドルを握っていなければならない。

むろん特徴的なのは、他車と比較して自動運転を促す適正化はよくできている。
他車で見られる自動運転は、一度ブレーキを踏むと殆どの場合また設定からし直さなければ
ならないが、セレナはボタン一つで元の自動運転に復帰できる。

ノアヴォクシーに無くて、セレナにあるのがこの機能ということになる。

ノアヴォクシー、セレナ両方に言えることは、これらの安全装備は基本メーカーオプション。
グレードやもともと標準装備しているものもあるにはあるが、車を注文する時にしか選択ができない。
もしものことを考えると、これらの装備は選択することを是非お勧めする。
命はお金じゃ買えないからね!

センサー技術では一歩先行く日産

トヨタがハイブリッドモデルの拡充で売り上げを伸ばしている間、日産は自動運転に向けて
センサー類の開発に余念がなかった。 今回のセレナにはオプションに自動駐車支援システム
(インテリジェント・パーキングアシスト)がある。

実はこれを先に実用化したのは、トヨタだった。
当時二代目プリウスに搭載された際に、ウキウキしながらその体験をしに行った、しかし、
実際に駐車に成功したのは3回に1回だった。

日産はこれをセレナのような大きな車でやってのけたのだ。しかもその精度たる素晴らしい。
もちろん現在のプリウスでは、セレナと同じくらい精度が上がっているがこの価格帯のミニバンに
搭載しているのは買う側のニーズを考えるとこちらにこそ必要な装備なのはわかる。

他にもトヨタと比較して日産が秀でているものがある。 それが自動ブレーキだ。
トヨタは単眼カメラを導入し、その精度を上げる手法をとっているが、2016年のセレナは
人を判別して自動ブレーキを掛けられるが、ノアヴォクシーは車や壁などには自動ブレーキが
反応するが、人には反応することができない。

実際乗ってみると、セレナのブレーキはやや過敏に反応するが、万が一のことを考えると、
利かないよりも利いた方がいいに決まっている。

 

■総評

両車ともトヨタと日産で人気のある代表車で、それぞれに比較して強みとそうでない
ところがある。

ノアヴォクシーは、専用のシャシー(骨組み)による低重心化と広さなどの居住性は勝っており、
それに伴うスピードを出した時の運転のし易さにも繋がっている。

対して、居住性を優先するあまり運転席のシート全長を少し切り詰めるなどの妥協点が見られる。
それと安全装備はここ数年で急激に進歩してきた技術で、その点は日産が一歩先んじる。

セレナは、2016年9月のフルモデルチェンジで全自動運転をはじめとする。安全装置などの
装備は非常に充実しており、誰が乗っても安全に運転できる車になっている。
また、ノアヴォクシーは全長を切り詰め、できる限り車体のコンパクト化を狙っているが、
セレナにはその縛りがないので、運転座席などは座面が長く包み込まれるような座り心地のよい
シートが備わっている。

ただ、シャシーを前モデルから引き継ぐなどしたことから、基本構造に手を入れなかったため、
二列目以降の広さや車の走りに関する車本来の部分には、大きな進歩が見られない。
だが一番開発のお金のかかるシャシーを共有化したことで、これだけの装備にも関わらず、
300万円を切るモデルの自動運転を導入したのは流石である。

結果、使い勝手という一点に話を集約すると、セレナを選ぶことをお勧めする。
普段、7人以上を常に乗車させることはあまりない。 通常は、家族のみでたまに友人や親類を
乗せるならば、レイアウトが多彩で安全装備も充実したセレナが良い選択。

逆に運転を楽しんだり、広さを優先させるなど、少しこだわりを持っていて、自分の生活
スタイルに車を合わせたいと思うならば、ノアヴォクシーを是非選択肢に入れるべき。

 


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